After the rain
そんなかすみのモヤモヤを知ってか、知らずなのか。


陽輔からLINEが届いたのは、週末の夜だった。

「お疲れー!今家?」
「家だよー」


かすみの返信の直後、携帯が鳴る。



相手はもちろん、かすみの在宅を知った陽輔からだった。


「あのさ、今から迎えに行ってイイ?」


この電話から10分も経たないうちに、二度目の着信があり、慌てて着替えて化粧を済ませたかすみが部屋を出ると。


自転車に乗った陽輔が、道路からアパートの二階に向かって手を大きく振っているのが目に飛び込んで来た。
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