マーブル色の太陽
いや、きっと学校へ行けば何一つ変わっていない。
僕は通学カバンをかさ張らせている、上履きの膨らみにそっと手を触れる。
きっと母親も気づいている。
僕が上履きを毎日持って帰っている訳を。
3年間、たった3年間、短いようで、果てしなく長く感じるこの期間を、なんとか溺れずに泳ぎきれば、この閉鎖的で幼稚で無能な奴らとはお別れできる。
口では偉そうに反体制的なことをさえずるが、組織の中で弱者を見つけ、そこに階級を作り、弱者を攻撃することでしか欲求を満たせない可哀想な者たち。
自分たちが真っ先に、組織というものに取り込まれていることに気づかない愚かな者たち。
ここを出れば逆転する。
僕さえ我慢すれば、母親を悲しませることはない。
僕を取り巻くすべてのことが上手く行く。
僕はこの時、そう思っていた。