マーブル色の太陽

お見舞い。

そう言えばみどりは、見舞いには来なかった。

いや、みどりだけじゃなく、誰も来なかった。

担任すら来なかった。

だけどそれでいい。

僕は何も期待しない。

期待しないほうが楽だ。

期待をするから失望も生まれる。

だったら、最初から期待なんてしないほうがいい。

それよりも、僕の入院生活は『声』の出現と、あかねさんとの出会いで忙しかった。

そういえばあかねさんに電話をしてみたのだが、呼び出し音は鳴るものの、ずっと繋がらなかった。

もしかしたら、勤務中だったのかもしれない。

僕の番号を登録し忘れているのかもしれない。

まあいい。

お礼とかこつけて、今度、病院へ行ってみよう。
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