マーブル色の太陽
「ど、どうしたの!?」
矢沢さんは僕の体を押さえつけながら、咄嗟にナースコールのボタンを押し、のんびりと「どうしました?」と言う天井に向かって叫ぶ。
「乳酸リンゲル液、お願いします!」
矢沢さんのその声が合図だったかのように、白かった視界が黒に変わり始める。
真っ黒ではない。
日が暮れる時のような、太陽が沈んだ後のような、徐々に明るさが消え、周りの輪郭がぼやけ始める、そんな、闇と同化していく感覚。
そんな視界の変化を感じた。
それに伴い、徐々に頭の中の痛みも引いていく。