マーブル色の太陽


「あのね、体操服忘れたの」


見ると、上はブラウス、下は体操服というアンバランスなのか、卑猥なのかわからないような格好をしていた。


「ああ、うん。でも、まだ水泳の時期じゃないのか?」

「うん、見学なの」

「ああ……それで?」

「それで? じゃなくて、体操服忘れたって言ってるの!」

「うん、だから?」

「忘れたって言ってるなら貸してよ!」

「は? 僕のを?」

「そう。早く貸して! 持ってるんでしょ? 授業遅れちゃうよ!」


確かに僕らのクラスも今日は体育がある。

そして、この時期なら男子も確実に水泳なのだが、頭の怪我とは関係なく、僕は見学するつもりでいた。

もちろん、坂木たちにプールで沈められないためだ。
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