マーブル色の太陽


「でも、名前入ってるぞ?」

「いいの、いいの」


そう言いながらみどりは、自分のバッグの中をゴソゴソ探っている。

そして、「じゃーん! 部活で使うのです!」と言いながらテーピングテープを取り出した。

そして、体操服を渡すと、胸の名前のところにテープを何枚か貼り、上から『森山』と書き入れた。


「どうですか、これ!」

「いいから着て行けよ」

「なんだよ、ノリ悪いな! ……ちょっと待ってて、後ろ向いてて」

「い、いいよ、も、もう、い、行くよ」


僕は慌てて後ろを向き、教室から出ようとした。

その背中にみどりの声がする。
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