マーブル色の太陽
(はい、見ました。後ろを振り向くのが一瞬遅れたので……。後ろのホックの金具は三連でした)
『おい、あかねよりデケえな』
(うん……。って、は!? 何!?)
『あかねよりデケえって言ったんだよ』
(ああ、それはわかるけど……って、比べるなよ!)
『でも、まあ、巨乳ってわけじゃねえな。服のせいだろ』
(そ、そうなの? ……ってもういい。考えたくない)
『おい、金具が三連ってのはよ……』
(うるさい! うるさい! うるさい!)
僕は『声』を遮り、みどりの白い肌とピンクのストラップを頭から追いやると、自分の教室の扉に手を掛けた。