マーブル色の太陽
「矢沢さん、すみません……」
医師たちが部屋を出て行くと、僕は矢沢さんにまず謝った。
「いいのよ。それより本当に痛みはもうないの?」
「はい……それが嘘みたいにないんです」
「そう……」
矢沢さんは少し怪訝そうにそう言うと、僕が暴れたせいで床に散らばってしまった道具を拾おうと腰を屈めた。
その時だった。
『おい! 今、何か話しかけとけ!』
「え?」
またあの声だ。
僕は辺りを見回す。
キョロキョロしていると、屈んだままの矢沢さんと目が合った。
心配そうに見つめている。
「えっと……あの……」
僕がその場を取り繕うために言葉を発しようとした時だった。