マーブル色の太陽

いつものように誰とも話すことなく、上半身裸になり、体操服を頭から被る。

その瞬間、甘いというか、なんとも表現出来ないような匂いがした。

しかも、いい匂いだ。

香水などではない。

あかねさんたち、大人の女性とはまた違う、本能で感じるようないい匂いがした。


(え!? ……ああ、そうか。みどりに貸してたんだ……)


記憶の中のみどりは、枯れた草のような、乾いた匂いがしていた。

乾いたというか、むしろ香ばしいに近いような匂い。

当然、それは女性を感じさせるものではなく、よく外に出て真っ黒になって遊ぶ子供の肌の匂いだ。
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