マーブル色の太陽


「元気みたいだね!」

「また、みどりのことよろしくね」


夫妻に次々に話しかけられる。

父親の会社の友人。

僕も小さい頃からお世話になってきた。



エリートで転勤組の森山さん。

一度は海外にも単身赴任していたと聞いた。

それに引き替え、経理部でずっと本社勤務の僕の父親。

出世のコースからは外れている。

同期とはいえ、一見、馬が合うようには見えないのだが、こうしてお互い子供が生まれてからも行き来しているということは、よっぽど引き合うものがあるのだろう。

まあ、大人の世界のことは、僕にはまだよく分からないのだが。
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