マーブル色の太陽

アイスで機嫌を直したみどりは、今、座っているベッドに寝転ぶと、小学生向けの雑誌をカバンから取り出して読み始めた。

その横で、必死になって宿題を写す僕。

『女の涙は高いぞ』と正月に酒に酔って教えてくれた、正弘おじさんの言葉を噛み締めていた。



新学期。

にこにこしながら宿題を提出するみどりをぼんやりと見ながら、僕がしたことは、良かったのか悪かったのか、それをずっと考えていた。

そして、数日後、僕はみどりと一緒に先生に呼び出される。

みどりが自分でやった唯一の宿題。

日記。

あの日のページには、宿題を必死にやっている僕と思われる軟体動物が描かれていた。

『サトちゃんが宿題をやってくれました。サトちゃん大好き!』の言葉と共に。
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