マーブル色の太陽

「は、話も……き、聞いてくれないんですね……」

「い、いや、だから……」

「見せたくて……」

「見せたい?」

「昨日……電話で……」

「電話?」


僕が聞き返すと、江口さんはさらに涙を流してしまいそうだった。

もう聞き返さないで最後まで聞くことにする。


「眼鏡……取ったほうが……いいって……。眉も……少し……ハサミを……。せ、制服の、ス、スカートは……すぐには……短くできないけど……と、とりあえず……み、見せたくって……」


眼鏡?

眉?

スカート?


「わ、私……あ、あんまり……そういうこと……言って貰ったこと……なくて……嬉しくて……」


電話?

僕が?


「の、のぞむくんは……そ、そういうこと……言ってくれないし……」


何が起こっている?

僕は混乱した。


「と、とにかく、学校行きましょう!は、話はそ、それから!」
< 230 / 672 >

この作品をシェア

pagetop