マーブル色の太陽

遠くで予鈴が聞こえる。

僕は江口さんが校門を過ぎて下駄箱に入るだろうという時を見計らって、小走りに校門を駆け抜けた。

その時だった。


「待て」


その声に立ち止まる。

見ると腹の突き出た教師が僕を手招きしていた。

朝の校門。

生徒指導の教師と当番の教師たちがパラパラと校舎へと戻りはじめている。

僕は腹の突き出た教師のもとへゆっくりと歩いて行った。
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