マーブル色の太陽
「何か……?」
僕の問いには答えず、腹の突き出た教師はこちらをじっと見ている。
僕もじっと見返す。
でも、顔まで厚い肉に覆われた小さな目は、僕に表情を読ませてはくれなかった。
「どうだ? 最近」
どうだ?
最近?
……何が?
「別に……いたって普通です……」
「そうか。何かあったらいつでも来なさい」
腹の突き出た教師は、それだけ言うと校舎の方へ歩いて行った。
一度振り返り、再びこちらをじっと見たのには何か意味があるのだろうか。
『声』が前に言った、「あいつは相手にするな」という言葉も、気になっていた。