マーブル色の太陽

「何か……?」


僕の問いには答えず、腹の突き出た教師はこちらをじっと見ている。

僕もじっと見返す。

でも、顔まで厚い肉に覆われた小さな目は、僕に表情を読ませてはくれなかった。


「どうだ? 最近」


どうだ?

最近?

……何が?


「別に……いたって普通です……」

「そうか。何かあったらいつでも来なさい」


腹の突き出た教師は、それだけ言うと校舎の方へ歩いて行った。

一度振り返り、再びこちらをじっと見たのには何か意味があるのだろうか。

『声』が前に言った、「あいつは相手にするな」という言葉も、気になっていた。
< 235 / 672 >

この作品をシェア

pagetop