マーブル色の太陽

席に戻る時、江口さんと目が合う。

僕は思わず逸らしてしまった。

教室はダメだ。

坂木にはいくつもの目がある。

細心の注意を払っていないと、坂木の取り巻きたちの監視はかわせない。



席に着く。

教壇では馬場先生が修学旅行の説明をしている。

心なしかみんなの顔がほころんでいるように見えた。

きっと楽しみなんだろう。

仲のいい友達と話をしたり、好きな人に告白をしたり、そんな計画があるのかも知れない。

僕には関係ない。

むしろ、日常とは違う環境下において、坂木たちの心のタガが外れないことを祈るばかりだ。
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