マーブル色の太陽

「あの……」


隣で声がする。

江口さんだ。

何を言い出すのだろう。

江口さんが自発的に発言するのは珍しかった。


「じょ、女子の方は……わ、私が……や、やっても……いいですか?」


その言葉にクラス中が騒がしくなる。

みんな江口さんの意外な行動に驚いているようだ。

だけど、これは何か仕組まれているのではないだろうか。

江口さんの意図が掴めない僕が、坂木の方を見ると、ものすごい顔でこちらを睨んでいた。

もしかして坂木も知らなかったのか。


「じゃ、じゃあ……お前らに頼むな。放課後、一緒に来てくれ」


馬場先生はほっとしたような、何かを恐れるような顔で教室を出て行った。
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