マーブル色の太陽
「お、遅くなって、すみません」
「いや、僕も今、診察が終わったとこです」
「そ、それで……怪我の方は……」
「もう大丈夫だそうです。病院は今日が最後です」
「そうなんですか……よ、よかった」
「はい、ありがとうございます」
沈黙が訪れる。
僕はどうやって話を切り出していいものか迷っていた。
まさか、「電話したのは僕なんですけど、話したのは僕じゃないんです」なんて説明をするわけにはいかない。
そんな説明が通るわけがない。
それに、仲良くしようとしてくれる人を突き放す術を、僕は身につけてはいなかった。
いや、本来なら、そんな術は僕には必要ない。
僕がそんな事をごちゃごちゃと考えていた時だった。