マーブル色の太陽

「え、ええ……でも……」

「そして江口さんは、坂木く……坂木とつきあってる。そんな人が僕に何の用なんですか?」

「そ、それは……仲良く……なってもらいたいと……」

「仲良く? ……江口さん、いいですか。僕は被害者です。坂木は僕の何かが気に喰わなくて、いじめてるんだと思います。でも、僕には心当たりがない」

「の、のぞむくんに聞いたんですけど……言ってくれなくて……」


言うわけがない。

ヤツラにとって、僕は標的に過ぎない。

的なんだ。

誰だってよかったんだ。

自分より弱い誰か。

優越感を感じることができる何か。

そんなものが必要だったんだろう。

だからといって、それが僕である必要は一切ないはずだ。

ただ、近くにいた誰か。

ただ、近くにいた存在。

その程度で僕は生け贄に選ばれた。
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