マーブル色の太陽
僕は事の成り行きをぼんやりと見ていた。
江口さんに近づいていく僕。
恐怖に引きつる江口さんの綺麗な顔。
顔だけじゃない。
制服越しでも彼女の硬直するのが見て取れた。
華奢な体を棒のようにして突っ立っている。
みどりの時のように、僕を自制する何かも働かない。
きっと坂木のせいだ。
そうだ、アイツがいけないんだ。
僕は悪くない。
悪くない。
悪くない……。
『そうだ。お前は悪くない。こいつらが全部悪いんだ。全部! 全部! 全部! 全部! 全部!』
頭の中に『声』が流れ込んでくる。
目の前の江口さんがゆらゆら揺れている。
頭の中に白い何かと黒い何かが流れ込んでくる。
それはドロドロに混ざり合いながら、僕の視界を奪っていく。