マーブル色の太陽

女性との買い物は、ずいぶん昔に母親と来た以来だが、正弘おじさんが僕に教えて、奥さんに怒られていた、


「女との買い物は忍耐だ。常について歩けば疲れるから、五歩後ろを歩け。そうすれば、急な方向転換にも対応できる。そして、見た品物とその店を覚えるな。次も連れて行かれるぞ」


という言葉を思い出して身震いした。


「風邪?」

「いいや」


僕は笑いながら答える。

そんなやり取りをしているうちに、バスはショッピングセンターの停留所へ停車した。
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