マーブル色の太陽

僕は他の人に聞かれるのを避けるため、みどりを図書館の外に連れ出した。

中庭の読書用のベンチに座る。

幸い、冷房のために窓は締め切られ、僕らの他に人影はなかった。


「あのな、さっきの記事……入院してた時にお世話になった人が載ってたんだ」

「え!? どういうこと?」

「わからない……ずっと電話が繋がんなくて……この前、病院に行った時はもう辞めてた……」

「看護師さん?」

「うん……」

「ねえ、ちょっと待って。記事、もう一回見てこようよ。何かの間違いかもしれないし……」

「うん……そうだね」
< 349 / 672 >

この作品をシェア

pagetop