マーブル色の太陽

今、考えてみると、あの時、あかねさんが顔にあざを作った時、何かのトラブルがあったのかも知れない。

僕の前で見せた涙は、何かから逃げられない自分を嘆いたものだったのかだろうか。


「サトちゃん……痛いよ……」


僕に手を引かれたままのみどりが言う。

僕は思いのほか動揺していたらしく、思わず手を強く握ってしまっていた。

立ち止まり、力を緩め、後ろを振り向く。
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