マーブル色の太陽

高畑は新館の方へ歩いていく。

新館には一階に職員室、事務室、校長室が、二階には図書室、音楽室、化学実験室などの実習に使われる教室が集められている。

それらの授業が行われているときは生徒の往来もあるのだが、この次の時間はどの学年も使わないのか、二階はひっそりとしていた。



高畑はキョロキョロと、周りを気にしながら歩いている。

真っ直ぐな廊下。

ヤツが振り向けば僕がつけていることがバレる。

僕は階段の柱に身を隠すと、高畑が廊下を渡りきった頃合を見計らって、顔を出した。
< 384 / 672 >

この作品をシェア

pagetop