マーブル色の太陽

人は、自分を認めてくれる人、自分を見ていてくれる人に惹かれる。

江口さんの僕に対する感情は、そういった誰にでも起こる勘違いから発しているんだと思う。

だが、それを利用させてもらう。


「教室に戻ろう?」

「……うん」


僕は、江口さんを置いて、さっさと歩き出す。

後ろを振り向くと、傷ついたような顔の江口さんがまだそこに立っていた。
< 399 / 672 >

この作品をシェア

pagetop