マーブル色の太陽


「原田に何かされたの? 嫌なこと言われたとか?」

「ううん……なんか……好かれてるみたい……一回……つきあってって言われたし……」


原田は江口さんに好意を持っている。

しかし、アイツは坂木と一緒に僕を攻撃している。

そのリーダーの女に手を出そうというのか。


「ん? 原田は知らないの?」

「うん……私たち……誰にも言ってないの……あの人が言うなって」

「ふ〜ん……」



なるほど。

これはいいネタだ。

性欲・食欲・睡眠欲。

人は三大欲求を目の前にしたときが一番浅ましい。

これを使わない手はない。

それと、江口さんの口から、坂木のことが「のぞむくん」ではなく「あの人」になったこともいい傾向だ。

江口さんの気持ちは、確実に坂木から離れていっている。
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