マーブル色の太陽
(少し、キツかったかな……。読み誤ったか?)
僕がそう思いながら、下駄箱まで来た時だった。
後ろから引っ張られる感覚がする。
振り向くと、下を向いたまま僕の制服を掴んでいる江口さんがいた。
「ご、ごめん、な、なさい……も、もう、い、言わない、か、ら……だ、だから……だ、だから……」
江口さんはそう言うと、下駄箱の前のスノコに膝から崩れる。
綺麗に整えた眉を八の字にして、頬を涙でぐしょぐしょにしながら、子供みたいに辺りをはばからずに声を上げて泣いた。
僕は、思った以上の効果に一瞬怯む。
だが、すぐに跪き、江口さんの背中をゆっくりとさすりながらこう言った。