マーブル色の太陽

だからこそ、合瀬とは係わってほしくない。

合瀬が振り向けば、またみどりをダシに僕を困惑させる言葉を吐くだろう。

僕は、祈りにも近い気持ちで、みどりが早く立ち去ってくれるのを願った。

だから、続く言葉をみどりにはかけなかった。


「ごめんね……」


みどりは僕にだけわかるように、口の動きだけでそう言うと、今にも泣き出しそうな顔をして、足早に立ち去っていった。

ジュースも買わずに。


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