マーブル色の太陽


「森山みどりさん。5組。剣道部。そして……相田サトシの幼馴染、か」

「そうだよ。父親同士がさ……」


僕はそう言い掛けて止めた。

合瀬のこちらを見る顔が、みるみる変わっていく。

目には見えないが、何か黒いものを纏ったような、空気の密度が増したような、そんな息苦しさを感じた。

気のせいだろうか。


「で? まだ演技? オレは面白いもんが好きだと言ったよな? お前の演技は面白くない」


また、いつもとは違う感覚が僕を襲う。

体の内側から沸き起こる何か。

体温が急激に上昇し、次の瞬間には痺れるほどに指先は冷たくなる。

吐き気が襲い、目がかすむ。


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