マーブル色の太陽
「あれは完全にお前にホレてんじゃん。扱い方間違うと、坂木より性質悪いんじゃない?」
階段から見下ろす形になる僕に、合瀬はそう言った。
「わかってる」
僕がそう答えると、合瀬は止めていた足を動かし、再び階段を上り始めた。
足元を見ながら上る合瀬の顔は、見下ろす形になる僕のところからは見えない。
そして、僕がいる場所から2段下まで来ると、足を止めて顔を上げた。
「わかってないな」
合瀬の顔は見たこともないほどに歪んでいた。
口角は限界まで引き上げられ、その為に唇はあり得ないほどに薄く引き伸ばされている。
異様に多くなった黒目で見つめられると、怖くて目を逸らさずにはいられなかった。
だけど……。