マーブル色の太陽
江口さんは、原田が隣に座るのは嫌だと、二人だけになると泣いた。
原田の粘りつくような視線に耐え切れない、と。
僕は言葉による慰めや説得はせず、いつかの公園に行き、肉まんを握らせた。
そして、何も言わずに、ゆっくりと江口さんの頭を撫でる。
江口さんはしばらく泣いていたが、元々頭のいい人だ。
話してはいないが、原田を坂木から離すことが、僕の作戦だと気づいたんだろう。
しばらくして泣き止むと、僕の肩におでこをつけて、肉まんを食べていた。
「危険なものを起す」という意味では、体への接触はあまりしたくなかったが、この方法が手っ取り早かった。
今後は注意しなければならない。