マーブル色の太陽

『指切り』とは、本来、女が男に、自分の愛情が一生変わることのないものだという証に小指を切り落として送ったということが由来だ。

昔、読んだ何かの本に書いてあった。

 契り。

 契約。

 盟約。

そこにはどんな感情があったのだろうか。

自分の体を切り離すことにより、片時も離れたくないという気持ち。

自分の想いを伝えるには、言葉では足りないという気持ち。

今よりも、通信手段の発達してない昔、音信不通になれば二度と会うことの出来ない、そんな状況に置かれたとして、僕は同じ気持ちを抱けただろうか。

そして、それほどの想いを抱ける相手に巡り合えるのだろうか。
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