マーブル色の太陽

運がいいのか悪いのか、馬場先生は他の教師に呼ばれる。

「はーい!」と大きな声で返事をしたかと思うと、あっという間に駆けていってしまった。

僕など、最初からそこに存在していないかのように。



僕は中山先生のことを考える。

本来、事故の加害者である彼女は、一番の罰を受けるべきだ。

だが、僕は、その刑を行ってはいない。

なぜなら、僕は馬場先生さえコントロール出来れば、事故のことも彼女のことも、どうでもいいと思っていたからだ。

動画を手に入れたが、あんなものは『声』の暇つぶしだろう。

若い女性ならともかく、何人にも裸を晒し、その上、不倫などしてる人間が、いまさら羞恥心で休職するとは思えない。

いや、そんな理由で休職するなど、おこがましいにも程がある。


 
< 499 / 672 >

この作品をシェア

pagetop