マーブル色の太陽

原因は、今、考えてみても、よくわからない。

今でこそ仲の良い両親の、離婚話に伴う連日のケンカ、大きな団地に越してきたことによる環境の変化、大好きだった祖母の死。

挙げてもこの程度だが、これぐらいであれば、どの家の子も経験しているだろうし、もっと劣悪な環境にいる同級生も何人もいた。

そう、僕だけがストレスを抱える毎日を送っていた訳じゃない。



「くそう……」


今日も、ベンチで待っている。

夕暮れがせまる空き地。

大人でさえ、もの悲しくなる時間帯に、僕は僕のこんな姿を見る両親を悲しませたくなくて、涙が止まるのを、膝を抱えて待っている。

お腹も空いたし、少し、寒くもなってきた。

でも、帰れない。

 
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