マーブル色の太陽
「……いやだ」
僕は迷った。
確かにこのコミュニティから逃れれば、毎日、こんな思いをしなくて済む。
両親にだって、悲しい思いをさせずに済む。
だけど、僕はその申し出を拒絶した。
今考えてみると、小さいながらも何かを感じていたんだろう。
この件で再び、両親の絆が戻りつつあるが、これが解決すれば、二人が離婚しようとしていること。
離婚話の原因が、母親の滞った家事にあり、さらにその原因が、購入したマンションの代金を払うための共働きにあること。
拙いながら、幼い僕は、家族を守ろうとしていたのかもしれない。