マーブル色の太陽
「みどりちゃん! 相田くんは普通じゃないの! わかる? 普通じゃないの! ……邪魔なの!」
「先生!」
年配の女教師が担任を鋭い声で諫める。
そして、僕に気づく。
担任もハッとした顔をして僕を見たが、まだ心の中に本音が燻っていたのか、その周りの色が変わり始めた。
気味悪い茶色と憎悪の黒。
両方が一度に出現し、それが急速に混ざり合っていく。
今までに見たことのない変化だ。
それほど僕はこの人に疎まれていたのか。
それを見た僕の視界もドロリと溶けていく。
ぼんやりとした視界の中、担任の顔が近づいてくる。
恐怖に戦き、手を前に出してくるのが見えた。
そこで、僕の意識は途絶える。
最後に聴覚が女性の悲鳴を、触覚が生暖かい肉のような感触を手に残した。