マーブル色の太陽

教室に帰る。

みんな、明日の準備や部活があるのか、もう誰もいなかった。

僕は自分の席に座り、ポケットからフェルトの袋を取り出す。

そして、中のビー玉を手に取った。

手の中でビー玉を転がす。

表面の細かなキズの為に、光を映しこんでもキレイには光らない。

だが、美しさは遠く敵わないものの、みどりの想いの詰まったこのビー玉の方が、僕にとっては最高に美しかった。



コロコロと机の上を転がす。

端まで行くと、反対側の端まで転がす。

無機質な音を立てながら、ビー玉は転がり続ける。

くるくると回る中心の緑を見ながら、僕はみどりの想いについて考えていた。
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