マーブル色の太陽
人なんか呼ばない。
最初に二手に分かれた、もう片方の人影が見つけてくれるだろう。
そして、パトカーに戻り、必要な手配をするはずだ。
それも最優先で。
「警察は身内の仇は絶対に討つ」と、正弘おじさんも言っていた。
僕は口に詰めていたハンカチを取り出す。
コンビニエンスストアに寄り、江口さんに教えられたお菓子を買った。
もっとも、早ければ警察が動き、明日は修学旅行どころでは無くなり、このお菓子も役に立たないだろうが。
上を見上げると、雲が流れていく。
僕はその雲に、今まで月明かりを隠してくれてありがとうと言うと、家への道をゆっくりと歩いた。