マーブル色の太陽
「何が犯罪だ! こっちは、まだ意識が戻らないんだぞ! わかってんのか!」
「高祖!」
大久保が、その柔和な顔からは想像できないほどの大声で高祖を一喝した。
僕は椅子の上で、その声に萎縮したフリをする。
高祖は口ごもりながら「すみません……」と小さく呟いて黙り込む。
高祖は大久保に怒鳴られてしまったが、僕は彼に感謝していた。
なぜなら、聞きたかったこと、あの警官が、その後どうなったかを勝手に喋ってくれたからだ。
大久保ではこう簡単には聞き出せなかっただろう。
意識不明。
つまり重体ということか。
坂木もヒドイことをしたものだ。
もう、学校はおろか、この地区には戻って来られないのかもしれない。