マーブル色の太陽
顔を戻すと、大久保が僕の顔を見ていた。
一見、その表情はにこやかだが、僕の心の奥底を見通そうとしているのがわかる。
馬場先生を制そうとしなかったのは、大久保もその意見に同意だったんだろう。
「あの……校則違反なんですけど……ごめんなさい……」
僕はそう言いながら、おずおずと携帯電話を取り出す。
そして、携帯電話を操作し、発信履歴に残された、江口さんの名前を見せた。
大久保は、江口さんが僕の同級生であることを確認すると、馬場先生ではなく琢磨に、僕の携帯電話を使って江口さんに電話を掛けさせた。
琢磨は短く数回のやり取りをすると、携帯電話を大久保に差し出す。
大久保は携帯電話を手に、指導室を出、数分後に帰ってきた。