マーブル色の太陽
「それじゃあ。……あ、母さんに、心配かけてごめんって伝えて」
「わかった」
「あ、それと、父さん。会社行きなよ?」
「わかってるよ」
父親が、笑いながらそう言うのを聞き、僕は電話を切った。
両親はきっと、この事件が解決するまで心が晴れることはないだろう。
自分の息子が、学校で行われた非公式なものであったとしても、警察に取調べを受けたのだ。
そして、その犯人は捕まっていない。
いつ、また、自分の息子が呼ばれるかわからない。
その恐怖は、本人の次に親が感じるのではないだろうか。
僕がそう考えていた時だった。
教室の後ろの引き戸が開く。
顔を出したのは琢磨だった。