マーブル色の太陽
「おう」
琢磨はそう言いながら、手にビニール袋をぶら下げて教室に入ってきた。
僕は椅子に座ったまま会釈を返す。
「大変だったな」
「はい……」
僕はそう答えながら考えていた。
あの指導室での琢磨の態度。
一貫して、僕に味方をしてくれていたように感じた。
お陰で、大分こちらの思うように、全員を誘導することが出来た気がする。
琢磨とは、これまで何度か接点はあったものの、それは、あまりいいものではなかった。
琢磨は何を考え、何を思い、あの、全員が僕を敵視していた状況の中で、味方のような振る舞いをしたのだろうか。