マーブル色の太陽
僕の心は揺れ始めている。
机の言葉を消してくれた人が目の前にいる。
僕を見ていてくれた人がいる。
僕は……ひとりじゃ……なかったんだ……。
この教室で、ずっとひとりだと思っていた。
江口さんですら、心の底からは信じることが出来なかった。
全てを利用し、僕を利用した全ての人に罰を。
そう考えていた。
徐々に改善されていく環境の中で、僕は警戒を解かず、力を蓄え、行使することを思った。
でも、もう必要ない。
終わりが近づいているんだ。
記号達をねじ伏せ、今、ようやく、坂木への復讐が終わろうとしている。
その僕にとって、この琢磨の言葉は、机のマジックの跡を薄めてくれたように、僕の表面を黒く覆った何かを、薄く溶かしていってくれているように感じた。