マーブル色の太陽


「あ、先生!」

「ん?」

「おにぎり、ありがとうございました!」

「ああ、お粗末さまでした」


僕の笑顔に、琢磨も笑顔で返してくれた。

久しぶりの教室。

僕は今、本当の意味で教室に帰ってきたんだ。


「相田」


琢磨は笑いながら僕を手招きする。

僕が教室の後ろの出入り口まで行くと、琢磨が小声で話しかける。


「お前……モテるんだな」

「は?」

「今度、先生にも、コツを教えてくれ」

「え〜っと……」

「それと、実はこれを言いに来たんだ。修学旅行、行って来い。楽しんでな!」


琢磨はそう言うと、職員室へと向かう、階段を降りて行った。
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