マーブル色の太陽
バスは登山道の入り口の駐車場に止まる。
荷物を持ち、少し離れた空き地に集まる。
1年生、総勢150名。
修学旅行のクラス委員の僕と江口さんは、クラスの先頭に座る。
先生の注意と思われる言葉を聞き流し、五組から登山道へ入っていく。
先頭に座る僕は、みどりが通るのを間近で見ることになる。
僕は一瞬、ぎこちなくなるが、それに反し、みどりの口角はふっと上に向いたように感じた。
気のせいか。
僕がそう思った時だった。
みんなにはわからないように、僕のジャージの袖を、江口さんがぎゅっと小さく掴む。
僕には感じられない何か。
それを江口さんは敏感に察知したのだろう。