マーブル色の太陽

バスは登山道の入り口の駐車場に止まる。

荷物を持ち、少し離れた空き地に集まる。

1年生、総勢150名。

修学旅行のクラス委員の僕と江口さんは、クラスの先頭に座る。

先生の注意と思われる言葉を聞き流し、五組から登山道へ入っていく。

先頭に座る僕は、みどりが通るのを間近で見ることになる。

僕は一瞬、ぎこちなくなるが、それに反し、みどりの口角はふっと上に向いたように感じた。

気のせいか。

僕がそう思った時だった。

みんなにはわからないように、僕のジャージの袖を、江口さんがぎゅっと小さく掴む。

僕には感じられない何か。

それを江口さんは敏感に察知したのだろう。
< 601 / 672 >

この作品をシェア

pagetop