マーブル色の太陽

僕らの足元を行ったり来たりしていたジュースの空き缶が、一斉に前に転がり出す。

スナック菓子の袋、誰かのリュック、全てが少しずつ動き始める。

坂だ。

蛇行が止まったのも、振動が止んだのも、今、バスが坂に差し掛かったからなのかも知れない。

そう言えば、来る時、みどり達の乗る5号車を見たカーブの後が、長い上り坂になっていたことを思い出した。

つまり、今は下り坂になり、その次に待つのは、半円を描く長いカーブだ。
< 620 / 672 >

この作品をシェア

pagetop