マーブル色の太陽
僕らの足元を行ったり来たりしていたジュースの空き缶が、一斉に前に転がり出す。
スナック菓子の袋、誰かのリュック、全てが少しずつ動き始める。
坂だ。
蛇行が止まったのも、振動が止んだのも、今、バスが坂に差し掛かったからなのかも知れない。
そう言えば、来る時、みどり達の乗る5号車を見たカーブの後が、長い上り坂になっていたことを思い出した。
つまり、今は下り坂になり、その次に待つのは、半円を描く長いカーブだ。