マーブル色の太陽
「まあいいわ。さあ、退院の準備しましょ」
僕は母親の言葉に、ノロノロとベッドから降り、持って来てくれたバッグに、洋服や下着をつめた。
そして、朝食を食べ、支払いを済ませて退院した。
最後にあかねさんに会いたかったのだが、どこを探しても姿は見えなかったし、誰に聞いてもはっきりしたことを教えてくれなかった。
(まあ、携帯番号も聞いたし、これからはいつでも連絡出来るから、今日の夜にでもお礼がてら連絡してみよう)
そう思った僕の期待は見事に裏切られる。
僕はこの先、ずいぶん後にならないと、あかねさんと再会出来ないことになる。