俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
「・・・杏」


『なあに、お父さん?』

私を見つめるお父さんの顔は、とても優しい笑顔だった。


「もう、杏を苦しめる者は何もないだろう・・・

それでも、藤堂の社長と付き合うんだ、いい事ばかりじゃない。

それでもやっていく自信はあるか?」


『…はい、もう、龍と、離れたくはないから。

何があっても、頑張っていきます』


私の言葉に、笑顔でお父さんは頷いた。


「二人で、頑張っていきなさい・・・

龍くん、くれぐれも、杏の事を、宜しく頼むよ」


「はい、オレに出来ることすべてで、杏を幸せにします」


そう言って、互いに手を差し出し、握手を交わした。


私は、今起きてる事がすべて夢のようで、

フワフワした感じだった。

それでも、泣けてくるのは、やっぱり、これが現実だからだ。

そう思えた・・・
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