俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
龍の言葉に、顔が引きつる女子の集団。

・・・

「殴ろうとすれば、

オレが先に殴り返してるか、

もしくは、杏がお前を投げ飛ばしてたな」

そう言った龍は、金髪女を睨んでいた。

・・・怖っ。

・・・

そんな綺麗でカッコいい顔のくせに、

睨みを利かすと、さすがに引く。

・・・

龍は喧嘩が強いと有名らしく、

それを知ってる金髪女の顔は、

真っ青になり、血の気がなかった・・・

・・・

「今度杏になんかしたら、

黙っちゃいないから、覚悟しとけよ、いいな?」

背の高い龍に見下ろされ、

金髪女は何度も頷いていた。

・・・そして、そそくさと、

その場を後にした。

・・・

「…龍」

小さな声で、龍の名を呼ぶ。

龍は私の方に向き直り、

心配そうな顔をして近づいてきた。

「…キャッ」
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