俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
先生の言葉に、目を見開く。


「ちゃんと話すべきだよ。

彼は逃げたりなんかしない・・・

きっと彼は杏ちゃんのすべてを受け入れてくれる」



「…どうしてそう思うの?」



「・・・男の感?」


「・・・何それ?」


「…ほら、早く病室に帰らないと、

2人とも心配するよ」


「・・・うん」


帰りは先生が、

私の車いすを押してくれた。


「検査はすべて終わりました。

もう帰ってくださって結構ですよ?

明日また、お父さんと二人で診察に来てくださいね」


それだけ言った先生は、

病室を出ていった。


「よかったな、杏」

安堵の溜息をつき、微笑んだお父さん。


「・・・うん」

私は作り笑いを浮かべ、頷いた。
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