俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
…オレは耳を疑った。

どうして親父は、杏の耳の事を知ってる?


「・・・なんで?」

「調べたんだよ。可愛らしい女の子だ。

柔道も、素晴らしい成績を収めてるいい子だな」


「・・・」


「…だが、耳に障害を持っている子は、

この藤堂財閥には相応しくない」


「…親父、アンタってヤツは」

どうしようもないクズだ・・・


「どんなバカな子でもいい・・・だが、

体に障害のある子と、付き合う事だけは許さん。

まぁ、遊びと言うなら構わないが」


「アンタの頭はイカれてる・・・

杏は、真っ直ぐで、純粋ないい子だ・・・

オレは本気で、杏と付き合ってる・・・

アンタなんかに、杏の何が分かるっていうんだよ?」


「・・・わかるさ。

今後、この藤堂財閥に、不幸を運ぶ疫病神だと言う事は」


ドンッ。

オレは近くの机を蹴飛ばした。

そして、部屋を出ていった・・・
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